柔道整復師の活躍する職場

 柔道整復師になると、整骨院や病院をはじめ、福祉施設やスポーツ現場など、多種多様な職場で、人のために役立つやりがいのある仕事に携わるチャンスが開かれます。
 ここでは、柔道整復師が働く代表的な職場と職務内容を見てみましょう。

●整骨院・接骨院
整骨院と接骨院は、名前は違うけれど、どちらも柔道整復師が柔道整復術を行う施術所のことを指します。柔道整復師という名前は聞いたことがないけれど接骨院の先生は知っているという人も少なくないほど、整骨院・接骨院は地域住民にとって身近な存在。整骨院・接骨院の中には、個人で開業しているところから大規模にチェーン展開しているグループまで色々な形態があるので、自分に合った整骨院・接骨院を見つけましょう。
●独立開業
柔道整復師を目指す人の中には、独立開業を目標に勉強を頑張っている人も少なくありません。とはいっても、資格取得直後に開業する人は少なく、まずは接骨院や整形外科医院、病院などに就職し、修行を積んでから独立する人が多いです。柔道整復師養成学校の急増に伴い、整骨院間の競争も激しくなってきましたが、自分の得意分野を打ち出したり、実費治療を取り入れたりすることで他と差別化を図り、繁盛している整骨院もたくさんあります。
●病院・診療所
病院の整形外科や整形外科医院などの医療機関で働く柔道整復師は、主にリハビリテーション部門において運動療法や物理療法などを行います。医療機関では、一般の整骨院・接骨院では見られないような様々な外傷を見ることができるほか、規模が大きな病院などでは、カンファレンスや勉強会を頻繁に設けているところもあり、貴重な経験を積むことができます。
●福祉・介護関連施設
高齢化社会が進行する中、近年、機能訓練指導員や介護予防運動指導員、ケアマネージャーとして、介護や福祉の分野で活躍する柔道整復師が増えています。機能訓練指導員として働く柔道整復師は、主にデイサービスや特別養護老人ホームなどの介護施設で、日常生活を営むのに必要な機能の維持・向上を目指した運動の指導やマッサージを行っています。
また、介護予防運動指導員として働く柔道整復師は、高齢者が健康で自立した生活を送れるよう、筋力向上トレーニングなどを通じて運動能力の改善を目指します。さらに、柔道整復師として5年以上の実務経験を経ると、介護支援専門員の受験資格を取得することができます。他にも、社会福祉士の資格を取ったり、デイサービスを運営したりするなど、柔道整復師は福祉の分野で活躍の幅を広げています。
●スポーツ関連施設
フィットネスクラブやスポーツクラブで働く柔道整復師は、怪我の予防や手当て、スポーツへの早期復帰のためのリハビリテーションなど、利用者や選手を包括的にサポートします。また、プロのスポーツチームや選手のアスレティックトレーナーやメディカルトレーナーとして、フィジカル面からベストコンディションを支える柔道整復師もいます。

 その他にも、現在、様々な場所で柔道整復師が必要とされています。例えば、手技を中心とした施術を行う柔道整復師は、災害の際、充分な医療機器がない救助現場や避難所でも外傷の手当てをすることができる貴重な存在です。柔道整復師の資格を持っていると、住民に身近な医療人として活躍の場がぐっと広がるのです。

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